
●係留をするとドローン飛行がより手軽に行える
ドローンの係留が注目された背景は、2021年10月に施行されたドローン飛行規制の緩和です。
ドローンを係留する事により、今まで一定条件下で必要だったドローンの飛行許可申請が不要になりました。
つまり、ドローンを係留する事により、今までよりも手軽にドローンを利用出来るようになったという事ですね。
係留すると、手間だった飛行許可申請が免除される
今までは下記5つのケースでドローンを飛行させる際、国土交通省への飛行許可申請が必要でした。
・人口密集地上空における飛行
・夜間飛行
・目視外飛行
・第三者から30m以内の飛行
・物件投下
引用 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001425120.pdf
しかし2021年10月の規制緩和で、係留飛行をすれば許可申請が不要となりました。
国土交通省への飛行許可申請手続きは手間がかる上に、承認に時間を要するため飛行の10日前には申請が必要です。
その手間を省く事が出来ると同時に飛行の安全性も確保出来るという事で、ドローンの係留はより注目をされるようになりました。
しかし、係留をすると必ず飛行許可申請が免除されるわけではなく一定の条件があります。
続いては係留による飛行許可申請免除のために必要な条件をご紹介します。
30m以内の飛行と第三者の立入制限が申請免除の条件
ドローンを係留すれば必ず飛行許可申請が免除されるわけでなく、下記2つの条件を満たす必要があります。
①係留で利用する紐は長さ30m以下のものを利用する
飛行許可申請が免除されるにはドローンに括り付ける紐の長さを30m以内に制限しなければなりません。
逆に30m以上の飛行の場合には通常通り飛行許可申請が必要となります。
②飛行範囲内(30m以内)に第三者の立入制限を行う
係留する場合は飛行範囲内に人が立ち入らないようにコーンや人を配置する必要があります。
立ち入り制限に具体的な条件があるか国土交通省に確認を取ったところ、必ずしも人を配置する必要は無く飛行範囲の4隅にコーンを置くなどして外から来た人が立ち入ってはいけない事が分かれば良いとの事でした。
人の配置は必須ではありませんが、看板やコーンを設置する事により人が必ず入って来ず安全性が確実に確保される状況を作る必要があります。
このように、係留により飛行許可申請が免除される場合は、ドローンの飛行が制限されます。
飛行許可申請免除の活用場面としては、初心者のドローン訓練などのスポットでのドローン利用(30m以内)でしょう。
一方で農薬散布や空撮など30m以上ドローンを飛行させる必要があるケースでは飛行許可申請免除の活用は出来ません。
ビジネスでドローンを活用する場合は、飛行許可申請免除が利用できる場面は限られてくるでしょう。
続いてはドローンを安全に係留する方法をご紹介していきます。
安全にドローンを係留する方法
ドローンを安全に飛行させるには市販の係留装置を手配する必要があります。
専用の係留装置はテンションを自動で調節してくれる機能があり、紐の巻き込みや引っ張りによる暴走リスクを防ぐ事ができるからです。
一般的に利用されている係留方法は、1点係留(地上型)、1点係留(屋上型)、2点係留、多点係留の4種類です。
しかし1点係留(地上型)以外の方法においては、装置が市販で発売されておらず専門の業者などが行うものです。
そのため今回は、係留初心者の方が実施できる1点係留(地上型)の方法をご紹介していきます。
①市販の係留装置を手に入れる
現在市販で販売しているドローンのシリーズは「ドローンスパイダー」、「ミヤ・リードロン」の2つです。
どちらかのドローンを購入しましょう。
しかし購入には10万円以上の費用がかかってしまいます。
係留装置を手に入れるのにそこまでお金をかけられないという方は、レンタルサービスを実施している会社(ドローンレンタルセンターなど)でレンタルをしましょう。
1日1万円以内でドローン係留装置をレンタルする事が出来ます。
②飛行申請免除の場合は飛行範囲の立ち入りを制限する
飛行許可申請の免除を利用している場合は飛行範囲内の立入制限を行いましょう。
2章でもお伝えしましたが、立入制限の具体的な規則はなく、飛行範囲内に人が入ってきてはいけないと分かるようになっていれば問題ありません。
コーンや看板を4隅に配置するなどして、明確に立入制限を行なっている事が分かるようにしましょう。
コーンや看板だけでは人が立ち入ってくる可能性がある状況では、人を配置して確実に立入制限を行えるようにしましょう。
③係留装置を用いてドローンを係留飛行
ドローン飛行範囲の立ち入り制限を行なった後に係留装置をセッティングしていきます。
今回はドローンスパイダーの設定方法をご紹介します。
①係留装置のワイヤーをドローン本体に取り付け
取り付け方法はとても簡単で、係留装置にあるワイヤーをドローンに結びつけるだけです。
ドローンの下部などに取り付けましょう。
②係留装置の設定
係留装置の設定もドローンスパイダーの場合非常に簡単です。
機体重量により小(1.5kg未満)、中(1.5kg〜3.5kg)、大(3.5kg以上)の中から1つ選択するだけです。
設定した重量によってワイヤーのテンションを調節してくれます。
これで係留装置の設定は完了です。
③ドローンを飛行させる
下記2つの工程を終えれば後はドローンを飛行させるだけです。
ワイヤーの調節は係留装置が自動で行なってくれるので、ワイヤーがもたれて引っかかることはありません。
また、ドローンが暴走してもテンションがかかってドローンを繋ぎ止めてくれます。
ミヤリードロンの場合も土台を本体に固定する必要がありますがそこまで手間はかかりません。
初心者の方でも気軽に利用する事が出来ます。
簡単にセッティングの方法を説明しましたが、このようにドローンの係留装置はセッティングがとても簡単です。
詳しいセッティング方法は本体同梱の取扱説明書に記載されているので、商品が届いたら説明書に沿って正しくセッティングをしましょう。